仕事を持つママに恐怖の「3歳児神話」
みなさん「3歳児神話」っていう、兼業主婦には身の毛もよだつ恐ろしいお話はご存知でしょうか…Σ(ll゚艸゚ll)
3歳児神話とは「3歳までは母親が子育てに専念すべきだ」という考え方です。
私達の親世代はこの考え方が色濃かったのではないでしょうか。
兼業主婦の先輩たちは「子供を預けてまでする女性の仕事なんてあるわけがない」と非難の嵐だったそうです。
自分の親がそうだったから自分もそうすべきだ、という考えは子どもに植えつけられているわけで、私が第1子を出産した時もその考えは頭の中をよぎったものです。
しかし私は仕事が大好き。
職場にも「1年間の育児休暇」ということで復帰を約束していました。
3歳児神話の通りするならば、1年で職場復帰というのは早すぎます。
3年は育児に専念しなければいけない事になります。
しかし3年も育児休暇をとれる会社ってあるんですかね…。
ほとんどの方が退社しないといけなくなってしまいます。
3歳児神話への私の反論
身の毛もよだつ3歳児神話は、一体どのような根拠があって言われていたのでしょうか。
・子どもの脳にとって3歳までの周りの人達のかかわりが非常に大切だ。
・大切な時期だからこそ、育児の適性を持った母親が養育に専念しなければならない。
・母親と関わらない3歳までの子どもはとても寂しい思いをして、将来にわたって成長にゆがみをもたらす。
ここから7年間育児をしてきた私の考えをお話しします。
1つ目の「子どもの脳にとって、3歳までの周りの人達のかかわりが非常に大切だ」について。
確かに3歳までの環境は、子供にとって大切なのは分かります。
しかし、相手をするのは実母である私でなければいけないのでしょうか。
別に私だけじゃなくてもいいのではないかと感じています。
もし親が子育てに不適合、例えば虐待を繰り返す、うつ病を発症しているなど、誰から見ても子育てできない親だっているわけです。
2つ目の「大切な時期だからこそ、育児の適性を持った母親が養育に専念しなければならない」について。
確かにママは乳は出るけどそれだけです。
他の事は誰でもいいのではないでしょうか。
これだと育児の適性を持った父親もダメ、という事になりますよね。
それに、母親全員が育児の適性を持っているかどうかは疑問が残ります。
性格がひん曲がっている私より、子育てをたくさん経験している保育士さんや、ママと同じく無償の愛を注いでくれるパパ、おじいちゃん、おばあちゃんにも積極的に関わらせたほうが健全なのではないかと思っています。
3つ目の「母親と関わらない3歳までの子どもはとても寂しい思いをして、将来にわたって成長にゆがみをもたらす」について。
別に仕事をしていない休日や朝、夜はずっと一緒にいるわけだから、そこで濃密な時間を過ごせば良い話なのではないかと思っています。
量より質です。
有権者の見解は?
3歳児神話の3本柱は
2・子供への愛情は母親がベスト
3・母親との関係が密でないと、子供の発達がゆがむ
ですが、有識者の見解は
(1)は揺らぎない真実だが、(2)と(3)は科学的根拠がないにもかかわらず、「3歳までは母親が一緒にいるべき」と母親に荷重な育児負担をかける危険性がある。早期教育も、過剰な商業主義と相まって「親が子に好きなことを伝える」という本来の趣旨からはずれてきている。
となっています。
厚生労働省も以下のような見解を出しています。
三歳児神話(子どもは三歳までは、常時家庭において母親の手で育てないと、子どものその後の成長に悪影響を及ぼす)には、少なくとも合理的な根拠は認められない。
引用元:厚生白書
3歳児神話は完全に崩壊したと言っても良いでしょう。
3歳児神話の呪縛はまだ私たちを苦しめている
「3歳児神話」が、長い間先輩ワーキンングマザー達を悩ませてきました。
未成年者による凶悪な犯罪が目立つようになった昨今、事件が起きるたびに加害者の養育状況が話題に上りますよね。
犯罪を犯すほどではないにしても、親の言うことを聞かなかったり、学校で問題を起こしたりしただけで、「子供が小さいころから働いていたのがいけないの?」と、つい考え込んでしまう方もいらっしゃるようです。
そのくらい世の中のワーキングマザーに対する3歳児神話の呪縛は、まだ根強くあるようです。
「3歳児神話は気になるか?」という問いに、働くママたちの答えは、とても気になる・まあ気になるというのが約半数という結果があります。
保育園に預ける時に、後ろ髪をひかれる思いなのはどのママも同じです。
「本当に他人に預けてまで続ける仕事なのだろうか」と疑問に思う事もあります。
それもこれもすべては3歳児神話の影響なんです。
3歳児神話は10年以上前に崩壊しています
そんな悩めるワーキングマザーに朗報です。
3歳児神話が幻想に過ぎないという調査結果がハッキリとでた結果がありました。
3歳児まで母親が育てた場合でも、保育者が育てた場合でも、子どもの発達には統計的に一切の差は見られなかった、という点がアメリカの研究ではっきりしている、というのです。
そして意外だったのは、5歳児までではむしろ、母親が働いている子供の方が問題傾向が低かったという結果です。
つまり子供が小さい間はワーキングマザーの子供の方が問題が少ない、ということになります。
ちょうど2年前の1999年、アメリカのナショナル・ロンディツードゥナルサーベー・オブ・ユース(National Longitudinal Survey of Youth)という非常に大きな国家規模の子どもの縦断的な研究グループから、子どもが乳児期の母親の早期就労復帰は子どもの問題行動の発達に影響するかを検討した論文が発表されて、アメリカのマスコミを中心に大きな話題を呼びました。それを少しご紹介したいと思います。
~中略~
エリザベス・ハーヴェイの論文ですが、ハーヴェイたちの研究でもやはり0、1、2、3歳未満の乳児を持つ母親の就労復帰というところをラインに検討しておりましたので、アメリカにも3歳児神話があるのかもしれないと、この論文を見て思ったのですが、そういう早期の就労復帰は、子どもが12歳にいたるまでの結果ですが、後の子どもの問題行動の発達には何ら関係しないということが検証されています。
他の国でもこの研究は行われていますが、それらの結果を見ると、子供の年齢に関わらず母親の就労の有無と子供の問題行動は一切関係がないということです。
なぜこうなるかは今後の研究を待つことになりますが、でもこの結果はワーキングマザーにおっては少しホッとする結果でもあります。
1998年公文書である厚生白書が「合理的根拠はない」と3歳児神話を否定したことは画期的なことでした。
だって、国が「関係ない」と認めたわけですから。
保育園に通わせることができることを幸せに思おう
3歳までの時期は、脳の約80%が形成される時期であり、とても重要な時期であることは、確かです。
それに、この時期に母親や父親の無償の愛情をたっぷりと受けることももちろん大事です。
しかし、母親だけに育児の負担や、責任を押しつけるのではなく、父親、おじいちゃん、おばあちゃんは、もちろん、地域の人たちや、子ども同士(友達)など、いろいろな人と触れ合うことや関わることも、すごく大事なことです。
母親が、働く、働かないは、それぞれの家庭の事情です。
でも、母親が働いていたりして、保育園に預けたり、他の人に預ける事に負い目を感じる必要はまったくないです。
むしろ、色々な人と小さいころから関わらせることができて、私の子供は幸せだ、と思ったほうが良いのではないでしょうか。
保育園などは、いろんな人にかわいがってもらえたり、たくさんのお友達からもいい刺激を受けることができるとてもいい場所です。しかも毎日です。
そして保育園が終わると、家庭では両親との関わり合いが待っています。
子供の目線から見ると、1日でたくさんの人と関わることができています。
これは子供のこれからの長い人生を考えると、とても良い事なのです。
考え方を変えると、母親が仕事をしているからこそ、堂々と保育園にも小さい時から入園することができ、胸を張っておじいちゃんやおばあちゃんも子育てに巻き込めるわけです。
まとめ
アメリカでは、日本で立証されるよりもずっと前から「ワーキングマザーが、子どもを保育園に預けていることと子どもの脳や情緒の発達には関連性はない」ということが提唱されてきました。
日本では、未だに色濃く3歳児神話が根付いています。
それは、私たちの親世代がまさしく3歳児神話真っただ中に育児をしていたからなんです。
しかし親と私では時代が違うのです。
時代が違えば母親の取り巻く環境も状況も違います。
女性がどんどん社会でその能力を開花させている中、「子供がほしいから子育てと仕事を両立できないか」と思うのは当たり前のことです。
初めての子育ては不安がつきもの。でも今まで積み重ねて頑張ってきた仕事も大好き。辞めたくない。
だったら両立を…
しかしいろいろな人生の先輩の話を聞くと「大変」の声しか聞こえない…
しかも「3歳児神話」なんてものもある…
そんな不安な時期を乗り越えられたのは、私は保育園に通うことができたからです。
保育園には私と同じような悩みを持つ同世代がたくさんいます。
そして心強い保育士さんもいます。
保育士さんだって子育てをしながら保育士をしている先生だってたくさんいるのです。
そんな子育てのプロの方々に良い仕事を受け、私は日々仕事も子育ても頑張れている気がしています。
そしてトドメは「子どもを長時間保育園に預けていることと、子どもの発達の問題には何の関連性もないと発達心理学の観点からも立証されている。」
「子どもといる時間の”長さ”ではなくて”クオリティ”が重要。」ということ。
ワーキングマザーにはホッとするような研究結果が出ています。
これには私も、胸の奥に閊えていた何かがポロッと取れたような気がしました。
これで心置きなく仕事も育児も両立できるってもんです。
追記 上の子が小学校に入りましたが特に支障なし
1歳から保育園に入った上の娘が小学校1年生になりました。
同じ保育園の子は3人しかおらず、しかもクラスも離れてしまった娘をたいそう心配しました。
保育園では引っ込み思案だったので、うまくなじめるか様子を見ていましたが、全然平気でした。
学校の先生のお話だと、友達作りが上手だそうで。
これは保育園に早くから入れていたおかげかもしれません。
癖の強い子が多かった保育園時代に鍛えていただいたこともあり、ちょっとやそっとのことではへこたれません。
保育園出身だからと言っていじめがあるとか、不都合は特にありません。
ただ、親が仕事を持っている子供は学校のあと学童保育があり、保育園出身のお友達と接する時間が長いので、幼稚園出身のお友達は少ないです。接する機会が少ないですからね。
ほとんど保育園に先生やおじいちゃんおばあちゃんに育ててもらったようなものの娘ですが、立派に元気に、思いやりのある子に育っています。